金の記事や商品の説明に出てくる「1オンス」。重さの単位だとは分かっていても、金貨を丸ごとはかった重さなのか、中に含まれる金だけの量なのか、少し迷いませんか。
この違いをつかむと、価格の単位と現物の仕様を落ち着いて見比べられます。今日は相場の上げ下げから少し離れて、数字の足元を確かめてみましょう。
金の「オンス」は、何をはかっている?
まず、トロイオンスという単位を確認する
金の取引では、トロイオンスという重さの単位が使われます。単に「オンス」と略されていても、日用品などで使われるオンスと同じ単位だと決めつけず、資料の表記を確認したいところです。
fineが付くと、純金の量に目を向ける
LBMAのロンドン市場ガイドでは、金の取引単位を「fine troy ounce」と説明しています。バーそのものの純度がどうであれ、純金の含有量を表す単位です。金属全体の重さと、中に含まれる金の重さを分ける、と考えると分かりやすくなります。
出典:LBMA「The Price」のFinenessの説明。

全体の重さに純度を掛けると、何が見える?
架空の100トロイオンスで考える
計算用の架空の金属を用意してみます。全体が100トロイオンスで、金の純度が99.5%なら、純金量は100×0.995=99.5 fine troy ouncesです。全体の100と純金量の99.5は、見ている対象が違います。
これは単位と純度の関係を説明するための例です。実在するバーの測定値や、受渡しで使う計量・端数処理の手順を示すものではありません。
純度の数字は、表示の仕方にも気をつける
純度が千分率で995と書かれていれば、割合は995÷1000=0.995、百分率では99.5%です。計算に995をそのまま掛けないよう、先に表示をそろえておくと安心です。電卓は、単位の読み違いまでは止めてくれません。
「金1オンス」の金貨が、全体ではもっと重い例
米造幣局の仕様を見比べる
米造幣局が説明するAmerican Eagle Gold Proofの1オンス金貨は、金を1トロイオンス含む一方、金貨全体の重さは1.0909トロイオンスです。銅と銀を加えた22金の製品で、含まれる金の量と、製品全体の重さが分けて示されています。
「1オンスなのに、全体は1オンスより重い」という表記は、この区別で読めます。この製品の仕様を、すべての金貨やバーに当てはめないことも大切です。
出典:米造幣局「American Eagle Gold Proof Coin」。
「400オンスのバー」も、仕様を省略しない
LBMAのGood Delivery金バーの技術仕様では、金含有量は350〜430 fine troy ounces、最低純度は千分率995.0とされています。「400オンス」という呼び方だけを見て、すべてのバーの全重量や純金量がきっちり400だと受け取らないようにしたいですね。
この基準はロンドン市場のGood Delivery金バーに関するものです。手元の小型バーや金貨の仕様は、それぞれの資料で確かめます。
出典:LBMA「Technical Specifications」のGold Bars。

価格と数量を読むときの、小さな確認
単位、純度、対象の順で見る
数字が並んだら、まずトロイオンスかどうか。次に全体の重さか純金量か。そしてバー、金貨、取引商品のどれを指すのか。この順で見るだけでも、異なる数字を同じものとして比べる場面を減らせます。
同じ純金量でも、販売価格まで同じとは限らない
含まれる金の量が分かっても、金貨や小型バーの販売価格がそのまま決まるわけではありません。LBMAのガイドでも、形状や加工、輸送などによる価格差を説明しています。税や手数料を含む実際の条件は、商品の表示で別に確認しましょう。
相場を見るときも、最初に「何の1オンスか」をそろえる。それだけで、重さの数字に振り回されにくくなります。
資料確認:2026年10月16日(日本時間)。単位と現物仕様を扱う学習記事です。


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