来週は、日英の物価と米国の住宅を、月末の政策会合につなげて眺めたい一週間です。数字が出た瞬間の強弱だけでなく、「どの部分が変わったのか」「金利はどう受け止めたのか」を一緒に追うと、為替やゴールドの動きも整理しやすくなりそうです。
対象は2026年10月19日(月)〜10月25日(日)。10月18日に確認した公式予定から、注目する発表を日本時間で並べました。
来週の予定は、まず四つの発表を押さえたい
米住宅、英国物価、そして金曜日の日英指標
下表は対象週の予定の抜粋です。いずれも9月分で、まだ結果が出ていない指標の予定を示しています。
| 発表予定・日本時間 | 指標 | 見ておきたい点 |
|---|---|---|
| 10月20日(火)21:30 | 米住宅建設(許可・着工・完成) | 着工と許可が同じ動きか、過去分が改定されていないか |
| 10月21日(水)15:00 | 英国消費者物価指数(CPI) | 総合の伸びと、価格変化の広がり |
| 10月23日(金)08:30 | 日本・全国消費者物価指数(CPI) | 総合、生鮮食品を除く総合、エネルギーも除く総合の違い |
| 10月23日(金)15:00 | 英国小売売上高 | 買われた数量と支出金額、前月分の改定 |
出典:米国勢調査局の2026年発表予定、ONSの英国CPI予定、e-Statの消費者物価指数予定、ONSの英国小売予定。
海外の時刻は、夏時間も含めて読み替える
米住宅の公式予定は米東部時間の午前8時30分、英国の2指標は英国時間の午前7時です。これらの発表日は両国とも夏時間なので、日本時間ではそれぞれ21時30分、15時になります。月末に近いからといって、先に冬時間へ切り替えないようにしたいですね。予定は変更される場合があるため、発表前にも公式ページを確かめておくと安心です。

日英の物価は、次回の政策判断へどう加わる?
日本のCPIは、全国と東京都区部を分けて読む
23日に予定されているのは全国の9月分です。東京都区部の速報と対象地域・対象月を混ぜずに見たいところです。総合の伸びが変わっても、食品やエネルギーに動きが集中している場合と、サービスなどにも広がる場合では、受け止め方が変わり得ます。
価格上昇の広がりが続けば、日銀の先行きの判断を考える材料になりそうです。一方、一部品目の反動が主因なら、総合の数字だけで見方を変えるのは早いかもしれません。どちらの場合も、CPI一つで次の政策が決まるわけではありません。
英国は、物価の後に消費の数量を重ねたい
英国は水曜日のCPIに続き、金曜日に小売売上高が出る予定です。物価の伸びが落ち着くなら家計の負担を考える手がかりになりますが、実際に買われた数量が増えているかは別に確かめたいですね。反対に、物価の粘りと数量の弱さが並ぶなら、物価と景気の両方に配慮する難しさが意識されるかもしれません。
ポンドを見る際は、英国の材料をドルや円の材料と分けておくと整理しやすくなります。ポンド円の変化だけで、すべて英国の指標への反応だと決めつけないようにしたいところです。
米住宅は、政策会合の前に景気を確かめる材料
着工の増減と、許可・改定を並べてみる
住宅着工が増えれば住宅分野の底堅さを考える材料になりますが、着工と建設許可が食い違うこともあります。今回の結果と過去分の改定を合わせると、最初に目に入った増減率とは少し違う姿が見えるかもしれません。
米連邦準備制度理事会(FRB)の9月16日のFOMC声明は、景気のしっかりした拡大とインフレの高止まりを示しました。これは9月会合時点の説明です。来週の住宅指標は、その背景に新しい情報を足すものとして受け止めたいところです。住宅が弱くても、それだけで米国経済全体の失速を示すわけではありません。
日米欧英の次回政策決定は、この対象週より後
公式日程では、FOMCは米現地10月27〜28日、ECBの金融政策会合は欧州現地28〜29日、日銀会合は日本時間29〜30日です。英中銀の次回政策発表は英国日付11月5日。いずれも今回の対象週より後に当たります。
FOMCの結果発表は、日本時間では10月29日(木)03:00、会見は03:30の予定です。日銀の結果は会合終了後の公表なので、固定の発表時刻として扱わないようにしたいですね。来週はこれらの決定を受ける週ではなく、その前に指標を読み進める週、と考えると日程を取り違えにくくなります。
出典:FRBの10月予定、ECBの会合予定、日銀の会合日程、英中銀の政策発表日程。ここで確認したのは日米欧英の定例日程で、世界の政策イベントすべてを網羅したものではありません。
ゴールドは、指標から金利・ドルへの反応をたどる
物価が強くても、金が同じ方向に動くとは限らない
物価の粘りは金への関心につながることがあります。一方で、金利の上昇やドル高も伴えば、利息を生まない金を保有する負担や、ドル以外で買う際の価格に影響します。「物価が強い」という一言から、ゴールドの方向まで決めないようにしたいところです。
来週は、指標の内容を確かめた後、米金利とドルがどう動いたかを並べてみましょう。景気の弱さを示す結果なら金利の低下が意識される場合もありますが、資金の逃避先としてドルが選ばれる場合もあります。材料がぶつかる場面では、すぐに一つの理由へまとめなくてもよさそうです。

ETFと先物、ドル建てと円建ても分けておく
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の10月7日公表の9月回顧では、金ETFに資金が入る一方、米国債利回りとドルの上昇、先物ポジションの縮小が金価格の下落に寄与したと整理されています。9月末までを振り返った分析であり、来週の値動きの予告ではありません。
資金フローも一枚岩ではない、という点は来週を眺めるときにも役立ちそうです。また、ドル建て金価格と日本円で見た金価格は、為替の影響で同じ動きにならないことがあります。金そのものの材料と円相場の材料を分けながら、日英の物価、米住宅、その後の金利とドルを順番に確かめていきたいですね。


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