インジケーター

適当に作った適当なインジケーター

灼けつくような陽射しが窓ガラス越しに差し込み、室内の空気をじわじわと焦がしていく。
エアコンはとうに音を上げ、室内には熱を含んだ風が、ゆっくりと淀むように漂っている。
額からは汗が一筋、顎を伝い、シャツの襟元をじっとりと濡らす。

木製の机の上には、年季の入ったノートパソコンと、手書きのメモが散らばっている。
モニターには、水色と紅紫色が交錯するライン。
画面の奥で数字が絶えず変わり、心拍と同じ速さで瞬きを繰り返す。

窓の外では、蝉の声がひときわ高く響き、時間の感覚を奪っていく。
指先はマウスを握りしめ、額の汗が視界ににじんでも瞬き一つしない。
小さなエントリー音が「チン」と鳴り、深く息を吐く。

新しく作成したインジケーターを眺める。
正規分布のグラフ、平均値を基準に左右対称な釣鐘型を描く曲線。
標準偏差が大きいほど、曲線は低く左右に広がり、標準偏差が小さいほど、曲線は高く、より尖った形を描く。

未来を予測するというよりは、これからの行き先を示す鏡のようだ。

おすすめ度 ☆☆☆

点击下载

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

新着記事
会員限定
おすすめ
PAGE TOP
ログイン