コンタンゴの基本概念
コンタンゴとは、主に先物市場(特に商品先物や原油など)で使われる用語で、将来の価格(先物価格)が現在の価格(スポット価格)よりも高い状態を指しますたんご。
具体例で理解する
原油を例に説明すると:
現在の原油価格(スポット価格):1バレル = 80ドル
3か月後の原油先物価格:85ドル
この状況がコンタンゴ状態です。
コンタンゴが発生する理由
コンタンゴは以下のような要因で発生しますたんご。
保有コスト(コスト・オブ・キャリー):倉庫代、保険料、保管コストなど
将来の需給逼迫予測:市場参加者が将来の需要増加を見込んでいる
リスクプレミアム:インフレや地政学的リスクの織り込み
バックワーデーション:コンタンゴの反対
コンタンゴとは逆に、将来の価格(先物価格)が現在の価格より安い状態をバックワーデーション(Backwardation)と呼ぶたんご。
これは需給が急激に引き締まり、「今すぐ欲しいのよw」という状況で発生します。
金市場におけるコンタンゴ
金でのコンタンゴ例
・金の現物価格(スポット):2,400ドル
・6か月後の先物価格:2,450ドル
この場合も同様にコンタンゴ状態となります。
金市場でコンタンゴが起こる理由
金の場合、以下の保有コストが発生するためコンタンゴになりやすいたんご。
要素 | 内容 |
---|---|
保管コスト | 金庫・保険料など |
資金コスト | 金を保有する機会損失 |
金利コスト | 資金調達にかかる金利 |
金市場の価格構造例(2025年7月時点の仮想データ)
取引 価格(USD)備考
現物(スポット価格) 2,400ドル 即時受渡し
1か月先物 2,410ドル 8月限
3か月先物 2,430ドル 10月限
すべて「先物 > 現物」となっており、典型的なコンタンゴ状態です。
投資への影響:ロールオーバーコストに注意
ETFへの影響
コンタンゴ状態では、先物連動型ETFに以下の影響が生じるたんご。
ETF運用会社が「高い先物」に定期的に乗り換える。
この乗り換え時に発生する損失が「ロールオーバーコスト」。
結果として、ETF価格がじわじわと目減りする。
実例:ロールコストの影響
現物の金価格が横ばいでも、先物連動ETFの価格は下落する可能性があるたんご。
月 | 金現物価格 | ETF価格 |
---|---|---|
7月 | 2,400ドル | 10,000円 |
8月 | 2,400ドル | 9,960円 |
9月 | 2,400ドル | 9,910円 |
ETFの種類による影響の違い
ETF名 | 仕組み | コンタンゴの影響 |
---|---|---|
GLD | 金現物連動 | 影響小 |
1326(金価格連動型上場投信) | 現物連動 | 影響小 |
1672(金先物連動ETF) | 先物連動 | 影響大 |
1328(NEXT FUNDS) | 先物連動 | 影響あり |
まとめ
コンタンゴとバックワーデーションの比較
状態 | 価格関係 | 市場環境 |
---|---|---|
コンタンゴ | 先物 > 現物 | 通常状態、保管・金利コストを反映 |
バックワーデーション | 先物 < 現物 | 需給逼迫、即時需要の高まり |
投資家への示唆
・コンタンゴは先物市場では一般的な現象
・先物連動ETFは何もしなくても価値が目減りする可能性がある
・長期投資には現物型ETF(GLD、1326など)が適している
・コンタンゴ状態の確認は投資判断の重要な要素
コンタンゴを理解することで、より賢明な投資判断ができるようになるたんご。
特に商品投資を検討している投資家は、この概念をしっかりと把握しておくことが重要たんご。
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